2012年10月27日土曜日

「とっとり 秋の読書大賞2012」大賞決定!!

今年もこの日を迎えることができました。
ご協力いただいた方々には心より感謝いたします。

ノミネートの7作品を読んだ上で、
1,2,3位という順位をつけて選考員に投票してもらい、
1位=5ポイント、2位=3ポイント、3位=1ポイントで集計しました。
その結果、以下のように「とっとり 秋の読書大賞2012」大賞が決定しました! 










大賞
『きみはいい子』 中脇初枝 (58ポイント)














著者の中脇初枝先生より受賞のコメントをいただきましたのでご紹介いたします。
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このたびは、「とっとり 秋の読書大賞2012」をいただき、ありがとうございます。

思えば、わたしも、かつて、図書室に入りびたりのこどもでした。

本の専門職として、日々、

こどもたちに本を手渡す仕事をされているみなさんに、えらんでいただいたことを光栄に思います。

今年の五月に、家族で鳥取砂丘に行きました。

砂丘は美しく、食べものはおいしく、楽しい思い出になりました。
そんな鳥取のみなさんと、こうしてご縁ができて、
とてもうれしいです。

あなたはいい子。わたしもいい子。

そんな思いが、たくさんのひとに伝わることを願っています。

                   中脇初枝
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以下、獲得ポイント順に発表します。
『舟を編む』 三浦しをん (53ポイント)















『楽園のカンヴァス』 原田マハ (38ポイント)
 














『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾 (38ポイント)

2012年10月26日金曜日

コメント紹介の第7弾!

さて、明日10月27日(土)には大賞発表です。



『おべんとうの時間 2』 阿部了,阿部直美

“弁当”を通してだからこそ語られるひとつひとつのエピソード。それにはそれぞれの人が歩んできた人生や家族の記憶が滲み出ています。普通の人のなんてことのない日常が、かけがえなく愛おしいものだと気づかせてくれる一冊です。一巻と同じ編集スタイルですが、本巻では震災後の東北も訪れており、それがまたこの本に特別な意味を与えていると思います。












『PK』 伊坂幸太郎

絶望か希望か― 伊坂幸太郎はやっぱり希望を選んでくれた、というところが嬉しかった。
誰かが時代のある分岐点で、苦しみながら勇気を出して選んだ、ちょっとした希望。その希望が誰かを刺激し、また新しい希望を生む。そんな希望の連鎖を作りたくなる本。自分も勇気を出して希望を選ぼう!と励まされた。













『ブラック・アゲート』 上田早夕里

ジガバチは獲物に卵を産みつけ、卵からかえった幼虫はその獲物を栄養にして大きくなる。幼虫は最終的には獲物を食い尽くして成虫になる。そんな習性持つ蜂である。
もしも、その獲物が人間であったらどうなるのか。というのがこの物語の出発点だ。そんな蜂が突然変異で生まれたらどうなるか。あまり映像化して欲しくない類の話である。
こんな設定だと、人間対蜂の戦いを連想するかもしれないが、そんな単純なものではない。幼虫に寄生された子どもをなんとかして守ろうと逃げる親子、そして、それを捕まえて隔離しようとする組織…。どちらかというと人間対人間の戦いだ。
追われる側を描いた単なる逃走劇だったらそれほど面白くなかったと思う。だんだんと追う側の事情も明らかになるにつれて没頭して読んでしまった。
そして、子ども同士が話してる場面がとても印象的だった。





『千年鬼』 西條奈加

短編連作なので、1編ずつ読みながらもうちょっと長く読みたい!と終わるのがおしくて。次第にわかってくる物語の全容に引き込まれ、ラストの切ないシーンには眼がうるうるでした。

2012年10月24日水曜日

コメント紹介の第6弾!

コメント紹介の第6弾です。
今度の土曜日にはもう大賞発表なのか…。早いな…。

今回も3作品の紹介です。
よろしくお願いいたします。



地球のごはん 世界30か国80人の“いただきます!”』 ピーター・メンツェル,フェイス・ダルージオ



「地球家族」シリーズの最新刊。世界各国の様々な職業の人の一日の食事を総カロリー順に写真で紹介する。















『日本の七十二候を楽しむ 旧暦のある暮らし』 白井明大



日本には四季だけでなく二十四の気、七十二の候という季節があること、お恥ずかしいですが知りませんでした。
旧暦をもとにした暮らしには、昔の人々の暮らしの知恵や工夫、他人に対する思いやりが詰まっています。読後は何気ない景色や食べ物もよく観察するようになり、いろいろな発見もありました。ずっと大切にしたい、気持ちが豊かになる1冊。












ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?』 片野ゆか



動物管理センター(現:動物愛護センター)で殺処分される犬や猫の命を守るため懸命に働いたセンタースタッフ、NPO、市民ボランティアたちを追ったノンフィクション。人間の身勝手でたくさんの命が殺されている現実に考えさせられ、その現実を変えようと粘り強く努力する人たちの姿に心打たれます。














2012年10月19日金曜日

コメント紹介の第5弾!

コメント紹介の第5弾です。
はやいもので大賞発表までほぼ一週間!
来週の土曜日には発表です! 
よろしくお願いいたします。



『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』 マーティン・ファクラー



福島から避難してきた人が「とにかく情報がなかった」と言っていた。なぜか。この本を読んでよく分かった。

















『続・悩む力』 姜尚中



全国学校図書館大会での講演のお話が印象深い。人生の師を持つことの意味、書物の持つ力を伝えてくれます。

















『日本のデザイン』 原研哉



日本を代表するグラフィックデザイナーである原研哉氏が、これからの「日本」をどう「デザイン」するのかを提言する1冊。「立ち戻るべきは『感受性』である」…この言葉、これからを生きる高校生に、しかと受け止めてほしい。


2012年10月15日月曜日

コメント紹介の第4弾!

コメント紹介の第4弾をお送りします。
今年のあきどくもいろいろと準備中です。
10月27日(土)には大賞の発表です。



・梨屋アリエ『ココロ屋』



青少年読書感想文の小学校中学年向けの本でしたが、新聞の書評欄をみて読んでみました。本物の人間でこんなことができたら、平和な世の中だろうなと思いました。


















・角田光代、穂村弘『異性』


某缶コーヒーのCM「男ですいません。」を見ると嫌~な気分になる人には、この本のおもしろさがわかるはず!自意識過剰作家、角田光代&穂村弘による「恋愛考察エッセイ」。笑いたいときにぜひどうぞ。















・伊坂幸太郎『夜の国のクーパー』



猫好きには、タマラナイ。
我が家の猫は、最近、家族全員に『トム』と呼ばれている。。。














2012年10月10日水曜日

コメント紹介の第3弾!

コメント紹介の第3弾をお送りします。


ちなみに靖子靖史さん http://yasukoyasufumi.6.ql.bz/ は鳥取県出身です。
水木しげるさん、谷口ジローさん、青山剛昌さんなどをはじめとして有名漫画家を輩出している鳥取県ですが、作家も桜庭一樹さん、松本薫さんなどを輩出しております。
靖子靖史さんは、ちょうど今、第二作『ハイライトブルーと少女』の準備をされているようで、今後のご活躍を期待しております。



・靖子靖史『そよかぜキャットナップ』


県西部のこの辺りかな、と勝手にイメージしながら読みました。ほのぼのしてます。

















・黒野伸一『限界集落株式会社』


限界集落、市町村合併、ワーキングプア、様々な問題を一掃する小説。こんなふうに過疎の地域が活性化できたらいいな。

















・梅本ゆうこ『マンガ食堂』


マンガに出てくる食事を再現した本は他にもありますが、この本を読むと暖かい気持ちになるのはなぜでしょう。和みの料理写真のせいでもあります。

2012年10月5日金曜日

コメント紹介の第2弾!

さて、第1弾はどうだったでしょうか?
今回も3つ紹介します。



・佐藤青南『消防女子!!女性消防士・高柳蘭の誕生』


女性消防士を主人公に、消防士の卵から成長していく物語。その中に軽いミステリーも織り交ぜてあり、飽きることなく読み切れる。消防士という過酷な職業を感じることもできる。クライマックスは停泊中の大型豪華客船が炎上する事態が発生。消火と救護のシーンは息つく暇を与えないほどハラハラさせる。そのあとの感動はひとしお。








・塩沢槇『「手仕事」で夢をかなえる女性たち


手仕事の素晴らしさを堪能できる本です。登場する女性たちの生き方に共感したり、尊敬したり。これからの生き方を考える高校生に強く薦めます。










・平川克美『小商いのすすめ』


悲惨な交通事故が報道されたとき、走り方を見直すドライバーがどれだけいるのか。
人びとが、それぞれに責任を持って行動すれば、いくらか暮らしやすくなるはずだ。


2012年10月2日火曜日

ノミネート作品以外へのコメント紹介! 第1弾!


ノミネート作品、いかがでしょうか? 見ていただけましたか?

惜しくもノミネートされなかった作品の中から、
おすすめコメントをちょこっと紹介したいと思います。

それではまず3作品紹介いたします。


・瀬尾まいこ『僕らのごはんは明日で待ってる













「僕が破れるいくつかのこと」という章が一番好きです。好きな人からこんな風に思われたらうれしいだろうなぁ・・と思いました。




・中田永一『くちびるに歌を』













中学校の合唱部が舞台となっていて、それぞれに葛藤しながらも成長していく登場人物の姿が、読んでいてほほえましく、応援したくなります。とても爽やかで温かい気持ちになれる小説です。




ジュディ・ダットン理系の子 高校生科学オリンピックの青春













科学に魅せられた高校生たちが、米国最大のサイエンス・フェア目指して奮闘する姿を追ったドキュメンタリー。「なんだ、別次元の天才の話だな」と思った人は、巻末の特別寄稿、日本から出場した高校生の手記を読んでみてほしい。必要なのは特別な才能ではなく、興味を持ったことをとことん追求する姿勢なのだと教えてくれる。