2013年10月26日土曜日

コメント紹介 その6

大賞発表もいよいよ明日です。
よろしくお願いいたします。

コメント紹介もこれで最後なので今回は4作品です。



・『ネガポ辞典』 ネガポ辞典制作委員会


就職や進学を前に、自己PRに迷ったらこの1冊。「愛想が悪い」は「他人に流されない」、「三日坊主」は「切りかえが早い」という具合に、欠点として使われるネガティブな表現を、どんな長所に言い換えることができるのかを教えてくれる。50音順で掲載、索引付き。















・『バージンパンケーキ国分寺』 雪舟えま


仲良しの幼なじみとつきあい始めた親友に、彼と会わないでくれる?って言われたら、そりゃあもう会う訳にはいかないよね…そんな悩める女子高生みほちゃんが、曇り空の日に見つけたお店が「バージンパンケーキ国分寺」。店主のまぶさん、常連の陽炎子さんや丑松さんと個性的な登場人物、そして食欲をわしづかみにするパンケーキの数々も魅力的なのですが、読んでいるうちに現実と非現実の境目があわあわとかすんでいく感じが心地いい。青春小説だと思って読み始めたらぜんぜん別の所に着地してしまいましたみたいな、いい意味の裏切られた感に1票です。










・『駅弁女子』 なかだえり


郷土の食文化を詰めた駅弁を食べ食べ旅しよう! 旅のガイドブックになります。また駅弁容器の利用法はお勧めです。

















・『お友だちからお願いします』 三浦しをん


三浦しをんのエッセイを、いつも楽しみにしている。あれやこれやの妄想が暴走したエッセイは抱腹絶倒の面白さではあるが、あこがれる先輩の渾身の裸踊りを眺めるかのようないたたまれなさと、己の内面を赤裸々に書かずにはいられない作家の業への畏れのようなものも同時に感じてしまう。ああ、ここまで潔くさらけ出してしまうのか…と。
本書は、ご本人が「よそゆき仕様」と評するとおり、いつもよりビギナーにやさしい上品さ。高濃度に配合されていた妄想成分が薄まった分、彼女の巧さを堪能できる。「三浦しをんのエッセイを読んでみたい!」という初心者に薦めても、引かれずに愉しんでもらえるだろう。